ニキビ

ニキビとは毛穴の中で嫌気性菌(無酸素の中で生きる菌)のアクネ菌が繁殖し、強い炎症を引き起こす慢性炎症性疾患です。正式名称は「尋常性痤瘡」と呼び、早い方だと10歳前半の思春期頃から始まり、20歳半ばで自然に治癒することが多いのが特徴です。
ただし生活習慣やストレス、ホルモンバランスの乱れから発症する大人ニキビも増えています。
ニキビの炎症が強くなると、皮膚の真皮層下にダメージを与えてしまうため皮下組織が破壊されアクネスカー、クレーターと呼ばれる瘢痕を形成してしまうため早期に積極的な治療が望ましいです。

ニキビの症状・種類

ニキビの種類と重症度について
ニキビの最初の症状、初期症状は、皮脂が毛穴にたまった状態で面皰(めんぽう)と呼ばれています。その面皰には毛穴の先が閉じている白ニキビ、毛穴に角栓や皮脂の汚れが詰まって先端が黒くなっている黒ニキビがあります。
問題はこの面皰が炎症を引き起こすと、痛みや皮膚の損傷を引き起こしてしまうことです。
炎症の初期症状は面皰の炎症で赤いブツブツ(丘疹)を引き起こし、さらに炎症が進むと膿疱と言って膿の塊を作ってしまいます。もっと炎症が悪化すると嚢腫や硬結と言ったしこりを形成してしまいます。
治療や自然治癒によって炎症が落ち着いても、丘疹部分の赤み(炎症後紅斑)は数週間から数ヶ月持続することがあります。
皮膚の損傷がなければ陥没になることはありませんが、強い炎症を引き起こした部分は真皮層のダメージが強いため瘢痕として凹凸を形成してしまうことがあるためニキビは早期で積極的な治療を推奨しています。

白にきび

毛穴に皮脂・角栓が詰まり、先端が黄白色に浮き上がっている状態。皮脂の詰まりを取り除き、にきびの炎症を防ぐ治療が有効。

黒にきび

毛穴に皮脂や汚れが詰まり、酸化してしまい毛穴の先が黒くなっている状態。速やかに皮脂の汚れ、詰まりを取り除く治療が必要。

赤にきび

毛穴に皮脂が詰まり、アクネ菌が繁殖して炎症を起こしている状態。炎症が強くなると、ニキビ周囲の組織、真皮、皮下組織にダメージを与えてしまい、瘢痕として凹凸を引き起こしてしまいます。

ニキビの原因

ニキビができる原因ですが、さまざまな因子が重なっている場合が多く断定するのは難しいのですが、一般的に考えられている原因は以下の通りです。

1.過剰な皮脂の分泌
2.毛穴が角化して詰まっている
3.ニキビ菌(アクネ菌)の増殖

(ニキビの発生・修復からニキビ跡ができるまで)
性ホルモンの刺激によって脂腺が活性化し、皮脂が大量に分泌されます。毛穴に詰まりなどがなければ皮脂の分泌過多で済みますが、通常は毛穴の角化を起こしてしまい、皮脂が毛穴から出ることが出来ず、面皰が形成されます。そうなると毛包内で菌(アクネ菌)が増殖してしまうことでニキビが悪化してしまうのです。
ニキビが悪化すると皮膚はアクネ菌をやっつけようとニキビの部分に白血球(好中球)を送り込みます。好中球は速やかにアクネ菌を貪食・殺菌・分解するのですが、その周囲の組織までダメージを与えてしまい強い炎症を引き起こしてしまいます。
もちろん、最終的には白血球によってアクネ菌は貪食されるのですが、ダメージを受けた皮膚、真皮、皮下組織はコラーゲン繊維等を失い陥没しニキビ跡として残ってしまうのです。

ニキビの経過

一般的にニキビのでき始めは思春期で、小学校の高学年から中学生の頃にかけてでき始めます。ホルモンの分泌が大きく影響するため、高校生の頃が最も悪化しやすく、大人に近づくにつれ軽快していきます。
大人ニキビはホルモンの影響だけではなく、生活環境の変化や、ストレス、睡眠不足、食生活など複数の原因が重なって皮脂の分泌過多につながりニキビが出来てしまいます。

1.思春期のニキビ
ホルモンの分泌によって脂腺が活性化することにより、皮脂の分泌が盛んになり、頬や額にニキビができやすくなります。
2.大人のニキビ
生活環境の変化、食生活、ストレスや睡眠不足、化粧など複数の原因が重なることで皮脂が過剰に分泌してしまいニキビを作ってしまいます。男性ホルモンの影響も大きいと考えられていて、頬からあご、首などにできやすいのが特徴です。
3.生理前のニキビ
女性の場合、生理前になると黄体ホルモンという皮脂の分泌を促す働きのあるホルモンが分泌されるため、ニキビができやすい環境になります。

ニキビの治療

ニキビの治療は、レーザー治療を含めさまざまな方法がありますが、私たちのニキビ治療は標準治療をベースとし、さらに症状や状態に合わせた治療を組み合わせて治療計画を立てています。また、皮膚科学会から公表されたガイドラインに沿っていますので安心してニキビ治療を受けて頂けます。

標準治療

・お薬によるニキビ治療
(ニキビ治療薬)
ディファリンゲル(アダパレン)
アダパレンという成分は、レチノイン酸受容体に結合し、レチノイド様作用を引き起こします。それは皮膚でどういった作用を引き起こすかというと、表皮の角質、角化細胞の分化を抑制することで面皰の形成を抑制し、ニキビを改善させてくれます。

べピオゲル(過酸化ベンゾイル)
ニキビの原因菌であるアクネ菌に対する抗菌作用だけでなく、皮膚の角質剥離を速やかに促し、毛穴の閉塞を改善し、面皰を予防・改善する作用があります。

デュアック配合ゲル
クリンダマイシンと過酸化ベンゾイルを配合したお薬で、ニキビの急性期などに用いると高い効果を発揮してくれます。

エピデュオゲル(アダパレン・過酸化ベンゾイル配合剤)
アダパレンと過酸化ベンゾイルを配合した複合薬です。効果に優れ難治性のニキビなどに有効です。

(外用抗菌薬)
ニキビ菌(アクネ菌)への抗菌剤として利用します。アクアチムローション、ダラシン、ゼビアックスローションなど数種類ございます。

(内服薬)
ニキビの治療で多く用いる薬剤はニキビ菌(アクネ菌)に作用させる抗生剤、皮脂の分泌を調整するビタミン剤などを用います。
処方内容は個々で違いますし、ニキビの状態、重症度等を専門的に診断し、すべて専門医が処方いたします。必要に応じ漢方薬等も処方します。

これらはすべて標準治療です。標準治療は健康保険が適応されます。

保険外治療

ケミカルピーリング

乳酸、グリコール酸などのお薬を使って余分な角質を取り除き、肌のターンオーバーを正常化させニキビを治療します。即効性があるだけでなく肌のくすみやシミの予防・改善にも効果的で美肌のためのスキンケアとしても人気があります。

レーザー治療

脱毛を兼ねたニキビの治療です。皮脂の分泌にも影響するため比較的、効果と満足度の高い治療です。

排膿・面皰圧出

角栓と呼ばれる面皰に蓋をしている、詰まらせている汚れや皮脂の塊を排出させて皮膚の修復を促す方法です。ニキビの芯を取り出すという表現をする場合もあります。状態によってはレーザーで行う場合もございます。